篠山貝塚貝層断面
篠山貝塚は栃木市藤岡町の渡良瀬遊水地西側の台地上にあります。篠山貝塚が作られた今から6000年前頃の縄文時代前期はかなり暖かく、海水面が今よりも3mから5mくらい高くなっており、海が内陸まで広がっていました。そして、篠山貝塚周辺は干潟地帯で、満潮時には奥東京湾が入り込んでいたと考えられています。 展示資料は、使われなくなった竪穴住居に食べた貝殻などを捨てた貝塚の断面です。竪穴住居跡の床面には、柱を立てていた穴も見えます。貝塚の貝のほとんどは、淡水と海水の混じる汽水域に棲むヤマトシジミという貝です。年代測定の結果、貝塚の下の方と上の方の貝では、200年程度の時期の差があることが確認されています。貝塚からは他に汽水域に棲むハイガイ、海水域に棲むカキやオキシジミ、アカニシなどの貝も確認されています。貝塚からは、貝の他にもクロダイの骨、ニホンジカやイノシシの骨、土器や石器、貝殻の縁を加工して作った貝刃、骨角器などが見つかっています。展示資料の貝層の中にも、土器の破片やカキの殻などを見ることができます。長い時間をかけて作られた、縄文人の生活の痕跡をよく観察してみてください。 |