とちぎの文化資源(世界遺産「日光の社寺」ほか)

 栃木県は、古代から「みちのくの入口」として人・モノが行き交う交通の要衝として栄え、源姓足利氏本貫の地である足利の鑁阿寺・足利学校跡、「西の臼杵、東の大谷」と謳われる大谷磨崖仏、民芸運動の中心地益子等、数多の貴重な文化資源が各地に現存し、栃木県の誇る豊かな自然とともに、現代まで多彩な文化を育んできました。その中でも特筆すべき存在が、世界遺産「日光の社寺」です。
 世界遺産「日光の社寺」は、日光山内にある二荒山神社、東照宮、輪王寺の建造物群と、これらを取り巻く遺跡(文化的景観)から構成されており、陽明門をはじめとする絢爛豪華な建造物群はもとより、地形を巧みに利用した地割りや石垣、自然と社殿が一体となった景観そのものも高く評価されています。
 日光山は8世紀末の仏僧勝道による開山以来、日本を代表する山岳信仰の聖地として1,250年以上の歴史を有し、自然環境と一体となって、神道・仏教・徳川家墓所の複合した宗教的霊地として現代まで伝わっています。明治時代初期の神仏分離実施によって二荒山神社、東照宮、輪王寺の3つの宗教法人に分割管理されることになりましたが、依然として日本宗教の特質である神仏習合の歴史を表す顕著な事例であり、また、神道や仏教をはじめとする多くの宗教儀礼や行事も失伝することなく受け継がれ、地域の人々の生活や精神の中に文化として生き続けています。
 こうした貴重な文化資源の観覧等を求め、国内のみならず、海外からも観光客が多く訪れ、我が国屈指の観光資源ともなっています。

 これら文化資源の解説を、声優の緑川光さん、古川登志夫さんによる音声ガイドでお楽しみください。
  
       
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