輪王寺

 輪王寺は、8世紀末、日光開山の勝道上人が創建した四本竜寺に起源をもちます。寺伝では四本竜寺の創建は766年で、以後名称は、満願寺、光明院、輪王寺と変遷しました。
 輪王寺は、日光山の中心となる寺院として発展し、鎌倉時代には、鎌倉幕府の尊崇を受け、さらに、室町時代には一時衰微しましたが、一般の崇拝は絶えることなく信仰を集めました。1653年には、徳川家光の霊廟である大猷院霊廟が造営され、輪王寺はその菩提寺となり、徳川幕府の尊崇を受けました。
 大猷院霊廟は、当時の第一級の技術者によって造営され、彫刻、彩色等の建築装飾の技法が完成されるとともに、建物の配置法と彩色や形態に優れた工夫が行われています。大猷院霊廟本殿・相の間・拝殿が国宝に、そのほか37棟が重要文化財に指定されています。