国認定重要美術品 脇指 銘「日洲住信濃守國廣作」(号布袋國廣)

 布袋の彫刻が特徴的な脇指であり、その彫刻から「布袋國廣」と呼ばれることもあります。刀身には、「夢香梅里多(うめかおるさとにゆめおおし)」の文字が彫られており、いずれも禅宗との関わりを示すものと考えられています。また銘には、天正十八年に足利学校で打ったことが刻まれており、「山姥切国広」と同じ年に作刀されたことがわかります。
 作者である堀川國廣は日向国(現在の宮崎県)出身で、伊東氏に仕えていましたが、主家滅亡ののち諸国を遊歴し、やがて足利に逗留します。足利滞在時には本作のほか、足利領主であった長尾顕長の命により、顕長が所持していた「本作長義」の写しとして「山姥切国広」を作刀し、「本作長義」に銘を切っています。