国・県指定等文化財詳細

竹工芸

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藤沼昇
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勝城蒼鳳《千筋捻摺漆花籃「漣」》
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竹工芸
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項目 内容
文化資源区分 無形文化財 / 無形文化財
文化財区分 国 指定 無形文化財(工芸技術)
文化財名称 竹工芸
文化財名称よみ ちくこうげい
指定年月日 2005年08月30日
所在地 大田原市野沢 大田原市浅香
市町等 大田原市
所有者/管理者 勝城一二(雅号 勝城蒼鳳)・藤沼昇
概要 ○国指定重要無形文化財「竹工芸」について
 「竹工芸」は、昭和57年4月20日に重要無形文化財に指定されており、保持者の認定を行うことは「追加認定」となる。
 我が国の竹工芸は、豊富な素材に恵まれて早くから発達し、縄文時代の遺跡からも出土している。奈良時代に唐の技法が導入されて技術が進歩し、中世には茶の湯の流行とともに我が国独特の作風を示し、近代以降は、高い芸術性を目指す優れた竹工芸作家が輩出した。竹工芸の技法は、細く割ったひごを編み組みして造形する編組物や、円筒形のままの竹を用いる丸竹物等に分類され、素材の簡素な美しさと強靭で弾力性に富む特質をいかした制作が行われている。竹工芸は、芸術上特に価値が高く、工芸史上特に重要な地位を占めている。

○保持者の概要について
(1)保持者
 氏名   勝城 一二 (雅号 勝城 蒼鳳 )
(2)認定日 平成17年8月30日 ※令和5年1月28日逝去
(3)保持者の概要
 勝城氏は昭和9年栃木県に生まれ、昭和24年から竹製農機具等の製作に携わり、細く割った竹ひごを編み組みして造形する編組技法をはじめとする竹工芸技法の基礎を身に付けた後、昭和40年以降、竹工芸作家・八木澤啓造及び斎藤文石に師事し、竹工芸の技法及び表現について指導を受けた。その後も更に研鑽を積み、技の練磨向上に努めて今日に至る。
 勝城氏は、竹材の選定に始まり素材の調製、編組、染色・漆塗仕上げ等にわたる幅広い竹工芸技法を高度に体得している。作品の主題に合わせて多種多様な竹素材を使いこなし、「編み」を中心とする各種の編組技法を組み合わせ、変化のある文様表現やひごの柔軟な曲線による動的な表現を効果的に用い、竹という素材がもつ簡素な美しさと強靭で弾力性に富む特質を生かした制作を行っている。
 勝城氏は、竹工芸の伝統技法を踏まえながら独自の工夫を加え、現代感覚あふれる個性的な作風を確立しており、鋭敏な感覚で捉えた自然のイメージを表現した、力強く独創的な造形の作品を日本伝統工芸展等に発表して受賞を重ねるなど、高い評価を得ている。

(1)保持者
 氏名   藤沼 昇
(2)認定日 平成24年10月4日
(3)保持者の概要
 藤沼氏は、昭和20年栃木県に生まれ、同51年から竹工芸作家・八木澤啓造に師事して伝統的な竹工芸の技法を習得した後、創作活動を活発に展開しながら更に研鑽を積み、竹工芸の技法及びその表現について研究を深めた。
 竹材の選定、素材の調製、編組、拭漆仕上げ等にわたる幅広い竹工芸技法を高度に体得しており、多様な編組技法を組み合わせて駆使する。伝統技法を踏まえながら独自の工夫を加え、精緻な網代編や繊細な束ね編などが作る端正な編み目や千筋の透かしの効果を活かした制作を行うほか、自在な荒編なども手掛ける。同人が「気」をイメージした作品は、空間の広がりを内包したおおらかな造形と力強い意匠構成を特色とし、格調高く独創的な造形美が高く評価される。
 藤沼氏は幅広い竹工芸の技法を高度に体得し、網代編や束編などの技法を用いて格調高く独創的な造形の作品を制作する。日本伝統工芸展等で受賞を重ね、さらに紫綬褒章を受けるなど高い評価を得ており、後進の指導・育成にも尽力している。
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