国・県指定等文化財詳細

絹本著色 観世音菩薩図

代表画像
絹本著色 観世音菩薩図

項目 内容
文化資源区分 絵画 / 日本絵画(明治時代以降)
文化財区分 県 指定 有形文化財(絵画)
文化財名称 絹本著色 観世音菩薩図
文化財名称よみ けんぽんちょしょくかんぜおんぼさつず
指定年月日 1988年12月27日
所在地 矢板市沢
市町等 矢板市
所有者/管理者 澤観音寺
公開状況 施設にお問い合わせください / 常時
アクセス方法 JR矢板駅よりタクシーで10分・矢板インターより車で15分
概要 縦140.3cm 横51cm
荒井寛方作

 荒井寛方(1878~1945年((明治11~昭和20年))は本名を寛十郎と言い、栃木県氏家(現在のさくら市)の生まれ。1907年(明治40年)第1回文展入選、法隆寺壁画の模写にも参加し、「仏画の寛方」として名を馳せた。
 本作は、昭和十五年十月(寛方62才)に日本橋高島屋で開催された荒井寛方個展の出品作の一つと想定される秀作で有名な「源頼朝図」とほぼ同じ体裁の落款である。
 印象は大日如来の古代梵字をあしらった生文方印「浩然荘に於て」とあることから、避暑地軽井沢で制作されたものと知れる。寛方得意の観音図の一作で、白描仏画のように彩色をできるだけ抑え、僅かに点じられた群青や代赭の品のよい配色効果は、全面に施された雲母片の落ち着いた輝きとともに崇高な気品を漂わせている。水墨画風の岩肌の描写も適度にその表出を抑えて全体のまとまりを好ましいものとしている。特に、威厳を示しながらも温和で慈悲深い菩薩のお顔の描写は秀抜で生気すら感じさせる。独創を加えた宝冠とその化仏の精緻な描写や金泥を混ぜた雲の法瓶の描き方も感心させられる。
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