国・県指定等文化財詳細

矢板市山田地区のチョウゲンボウ繁殖地

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矢板市山田地区のチョウゲンボウ繁殖地
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矢板市山田地区のチョウゲンボウ繁殖地
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項目 内容
文化資源区分 動物・植物・鉱物等 / 動物
文化財区分 県 指定 記念物(天然記念物)
文化財名称 矢板市山田地区のチョウゲンボウ繁殖地
文化財名称よみ やいたしやまだちく
指定年月日 1994年08月23日
所在地 矢板市山田
市町等 矢板市
概要 チョウゲンボウ(Falco tinnunculus-interstrictus Horsfield)は、翼開長約70cmでハトぐらいの大きさの小型のハヤブサの1種である。オスは黒い斑点のある茶褐色と灰色、メスは細かい縞のある淡い赤褐色の羽色をしており、青灰色で先端に黒い帯状斑のある細長い尾羽を持つ。空中の1ヶ所にとどまる停止飛行をしながら獲物を探し、ヒメネズミ、モグラなどの小型哺乳類、小鳥類や昆虫類を食物としている。繁殖期は4月から7月で、1回に4~6卵を産卵する。周囲が開けた草原や農耕地に隣接する崖地に営巣・繁殖する。
矢板市山田地区の繁殖地は、箒川の右岸に発達した段丘にあり、国道4号線の箒川にかかる野崎橋並びに東北本線鉄橋の上流100mに位置する「びょうぶ岩」及びその上流200mに位置する「金和崎岩」(それぞれ高さ約30m、幅約250m)である。これらのがけにヤマセミの古巣及び1975年に作られた3ヵ所の人口巣穴があり、1985年以来、ほぼ毎年4つがいの繁殖が確認されている。
一般に、チョウゲンボウを含むワシタカ類は、営巣地そ採食地からなる広大な行動圏を必要とし、そのいずれが損なわれても繁殖に支障をきたし、やがてその地域から姿を消すものである。1957年に清棲幸保氏によって当繁殖地が発見されて以来、1960年代にいったんは姿を消したものの、最近では比較的安定した繁殖状況を維持しており、この地域は、チョウゲンボウにとって、好適な環境が保たれていることを示している。