県内文化資源詳細

虫送りの藁人形

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民05001「虫送りの藁人形」

項目 内容
文化資源区分 民俗資料(有形・無形) / 民俗資料(有形)
名称 虫送りの藁人形
名称よみ むしおくりのわらにんぎょう
所在地 栃木県宇都宮市睦町2-2
所有者/管理者 栃木県立博物館
公開状況 施設にお問い合わせください
概要  虫送りは、集落内の悪い虫を集め、追い出したうえで、入って来ないようにすることで、主に五穀豊穣を祈る行事です。ただし、悪い虫とは、農作物の害虫だけでなく、災害や病などの悪いもの全般を意識していると考えられます。
 この資料は、昭和30(1955)年頃まで、日光市日蔭で旧暦6月1日に行っていた虫送りにおいて使われていた藁人形を、平成18(2006)年に、当地の方々に再現していただいたものです。
 この日、集落の人々は、このような藁人形2体とムシカゴを作ります。藁人形には、1把(わ)ずつ持ち寄った小麦藁を使い、桟俵(さんだわら。米俵の蓋。サンダラボッチなどと呼ぶ)の鍔(つば)を付けたヌルデの刀を腰に差します。そして、草鞋(わらじ)1組と、背に古峯神社の札を付けた棒を携えます。虫送りは、桟俵にカワヤナギ(オノエヤナギ)を被せて作り、中に芋虫を入れたムシカゴとともに、子どもたちが藁人形に2本の木を渡して神輿(みこし)のように担ぎ、「いもむしもっくりしょ もっくりもっくりもっくりしょ」と唱え言をしながら、集落の上と下の境に運びます。ムシカゴは下の境近くの沢に捨てて虫を送ります。藁人形は、それぞれの場所で若衆(ワカイシなどと呼ぶ)が木に縛り付けます。この後、藁人形は髭をたくわえた勇ましい姿でどっかと座り、集落の外からやって来る悪いものに、睨みをきかせます。
画像二次利用条件 CC BY-NC-ND(表示-非営利-改変禁止)画像
リンク 栃木県立博物館HP