県内文化資源詳細
民04009「着物」背にお守り袋(全体)
項目 | 内容 |
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文化資源区分 | 民俗資料(有形・無形) / 民俗資料(有形) |
名称 | 背守り付きの産着 |
名称よみ | せまもりつきのうぶぎ |
所在地 | 栃木県宇都宮市睦町2-2 |
市町等 | 宇都宮市 |
所有者/管理者 | 栃木県立博物館 |
公開状況 | 施設にお問い合わせください |
概要 | 日本人は、人間の身体に、良いものや悪いものが出入りしてしまう場所を感じています。例えば、日光市栗山地区では、「産まれたばかりの子がくしゃみやあくびをする前に、仮で良いので、立ち合った人に名前をつけてもらう」という事例があります。また、「霊柩車を見かけたら親指を隠せ。親の死に目に会えなくなるから」などという俗信が流行したこともあります。こうした事例は、口や指先が、何かの拍子に、身体の中と外との行き来を許してしまう場所と感じられているからだといえます。 この資料は産着ですが、背の部分に「背守り」などと呼ばれるものが付けられています。自分の目の届かない背後も、やはり身体の中と外との出入りを不安に感じられる場所なのでしょう。菱形などの模様が糸で縫い付けられていたり、赤い布や三角のベロ、この資料のようにお守りを入れられる袋が背守りとして付けられていたりします。山繭(カラビッコなどと呼ばれる)を付けている例もあり、疳(かん)の虫(子の身体の中にいて、夜泣きや癇癪を起こさせると考えられていた虫)を退ける虫切りを願ったものだと伝わります。 かつて、多くの子は、無事に産まれ育つことが普通ではなく、しばらく死と隣り合わせで不安定な状況を過ごしていました。中でも、「7つまでは神のうち」と言われるように、産まれる前後から7歳頃までは不安視され、留意されました。以来、私たちは、節目を設けながら、子を守るための儀式や儀礼、まじないなどを多く行ってきました。子を想う人々の姿が垣間見える資料のひとつです。 |
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リンク | 栃木県立博物館HP |